「バッタもん」とは、「正規の流通ルートで仕入れた物ではない商品」あるいは「偽物の商品」を意味する言葉である。

「バッタ」というと昆虫の「バッタ」を思い浮かべる人も多いと思うが、「バッタもん」の「バッタ」は昆虫とは関係がないという説が有力である。

現在では「偽物」という意味もある「バッタもん」という言葉は、元々は「バッタ屋で売られているような怪しい品」や「出どころが分からない品」という意味である。

服や小物、食品などの品物を格安で販売する店を「バッタ屋」と呼んだ。バッタ屋で販売されている商品は、正規の流通ルートで仕入れた物ではなく、使用に支障はないが包装や外見が劣化したB級品や売れ残り品、企業倒産により流れる倒産品、質の悪い粗悪品、賞味期限切れの近い食品などが含まれた。

「バッタ」の語源については諸説あり、不況などでバタバタと倒産した商店の品物を、一括で大量に安く買う業者を「バッタ屋」と呼び、その業者が扱う商品を「バッタもん」と言うようになった説がある。

その他にも、行き当たりばったり、あるいは場当たり的に生きている人が、盗むなどして手に入れてきた物を安く売ったことに由来する説などがある。

そんな「バッタもん」は、戦時中や戦後など物資が少ない時代にはありがたい存在でもあった。食料や日用品が少なく、多くの人々が生活に困っている中で、闇市などにおいて出どころは不明だが値段の安い「バッタもん」が流通し、人々の生活を支えてきたという歴史もある。

ちなみに、近畿地方では「偽物の商品」を「バッタもん」の他に「パチもん」とも呼ぶ。この「パチもん」の「パチ」は「盗む」を意味する「ぱちる」に由来し、デザインや機能を盗んだ品物であるという説や、「うそっぱち」に由来する説などがある